『あの命この命』稲葉浩志

平成26年8月15日(金)

69回目の終戦記念日
この歌を。


平成16年9月22日発表
稲葉浩志さん
3作目のソロアルバム

【Piece Of Mind】より


『あの命この命』


作詞 作曲・歌とギター

稲葉浩志(いなば こうし)



あの命この命

どちらがどれだけ
重いんでしょう


何もかも 消えてゆく


せめてあのぬくもりよ
永遠に



36時間の手術の末に
最新の医学に救われた

一つの小さなその命に
誰もが涙を流してた


翌日 ある町に朝早く
最新のバクダンが
落っこちて

あっけなく吹き飛んだ
多くの命を

誰もが知らないまま
時が過ぎる



あの命この命

どちらがどれだけ
重いんでしょう


いつかあなたと
ふれあった


せめてあのぬくもりよ
永遠に





一歩踏み出すたびに
重いリュックが揺れ

その底にあの人の
手紙と写真

最前線(げんば)で
ためらうことは許されず


こっちの愛のために
あっちの愛を消す





あの命この命

どちらがどれだけ
重いんでしょう


愛しいものを
初めて知った


せめてあのぬくもりよ
永遠に





あっというまに
日が暮れる

眠れないままに
日が昇る





あの命この命

どちらがどれだけ
重いんでしょう


何もかも消えてゆく


せめてあのぬくもりよ
永遠に



せめてあのぬくもりよ
永遠に










今から十年前に発表された稲葉浩志さんのソロ曲『あの命この命』。

自らアコースティックギターで奏でた、ざっくりとした音の演奏をバックに、


泣いているような、聴き手の身に迫る歌声。

大好きな歌です。


稲葉さんが父親となってからは初となる、ソロアルバム【Piece Of Mind】のラスト14曲目に収録されています。


「愛しいものを初めて知った せめてあのぬくもりよ永遠に」

という歌詞と、

12曲目に収録されている、『I AM YOUR BABY』の中にある歌詞から

「ぷわぷわの愛が欲しくってまっしぐらに進もう」


この二つの歌詞からは、幼子が愛しくてたまらない親の姿と気持ちを想像させます。


『あの命この命』の一番の歌詞では、

望まれて救われた一つの小さな命と、爆弾により突然奪われた多くの命を歌います。

二番の歌詞では戦地に赴き、戦わなければならない人の命を歌いました。


もしも自分の子が同じような目にあったら・・・もしもそれが、親だったら兄弟だったら・・・友だったら・・・自分だったら・・・

と想像して眠れないほど思いをめぐらせたのではないでしょうか。


わたしは、もしもあの時代に生まれて生きていたら・・・もしもあの外国に生まれていま生活していたら・・・

戦争や武力紛争に巻きこまれていたのかも知れないということと、

そして「それはやっちゃいけないことなんだよ」と、わたしなんかに伝えることが出来たのだろうかということまで想像してしまいます。


何がきっかけであっても、特に何も出来なかったとしても、繰り返し繰り返し、思いを馳せることは、大切なことだと思います。



そして唐突ですが、


「戦争反対であります!」

これは、【演劇集団アトリエッジ】の役者が演じる特攻隊員たちが主人公の

舞台『流れる雲よ』

天野真一中尉(市川博樹)の台詞です。

決して、ありきたりな言葉ではなく、とても気持ちのこもった大切な大切な言葉なんです。



今日の日に、これからも、いつか私の命尽きる日まで、あの命この命に合掌、そして流れる雲の下、黙祷。


2014年8月15日(金)






稲葉浩志Koshi Inaba
「Peace Of Mind」写真

http://bz-vermillion.com/disco/inaba_06.html







♪いつか また ここで♪
B'z☆ENDLESS☆SUMMER

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