音楽との出会い 其の二十五

  1992年12月31日
  大晦日(其の六)


  「このBand」は


  結成から十二年

 レコードデビューから

 九年と四ヶ月目にして


  国民的大型音楽番組

(紅い女子と白い男子が
 歌い合って戦う番組 )


  九回目の生出演を

   以って解散する





 …………………………





  短いLIVEは終えた…


  終わってしまった…


   まだ歓声は止まず


    テレビの前で


      わたし


     暫し茫然…



………







お兄ちゃん
上がって来る



……大丈夫か?

「このBand」が
一番よかったな


(まだ放送時間1時間
 以上ありますけど…)



      (わたし)

   …うん…よかった





 (お兄ちゃん)

じゃっ!帰るからな
  良いお年を!



     もう帰るの?
      ちゃんと
      食べたの?
      (親か?)



お兄ちゃんなんとなく
心配してくれてたみたい



お母さんも
上がって来たよ


すごかったわねぇ

キャーキャー!
キャーキャー!







     (そっち?)







   エンディング


    紅か!白か!


   さて!ドッチ?

 (番組も時代も異なる)



   そんなことは
  どうでもいいけど



  結局 白男子 優勝!

 これはこれで嬉しいな







    フィナーレ







 なんか演歌歌手の人に
  気を使われてるよ


  「このBand」の
   メンバー全員


 前に出されて今までで
 一番いい立ち位置!!


    そういえば


  何十組も出演する
 歌手の皆様ほとんどが
  先輩達というなかで


   何年も遠慮して


   隅っこに居たり
   後ろに居たり
    してきたね


  それをわかっていて
 くれた先輩演歌歌手が
    いたんだね


 今日でBandを解散する


   特別な日では
    あるけれど


 今までの先輩を立てる
 行いが先輩の気遣いに


  結びついたんじゃ
    ないかな







    さようなら

    バイバイ



     最期は


   メンバーの顔を
   見て言えたよ


    小声でね







     つづく