中山 B’z「ultra soul」アスリートならばほぼ全員に響く曲/稲葉 サッカーが圧倒的なプライオリティ/佐伯明

2016年5月16日(月)


エンタメステーション
佐伯明のJourney Through
The Music/04月1日号
“伸びしろ”がないのか? “時間”がないのか? アンチ・エイジングではない、加齢と共にあるであろう“高み”に向かって…… その1
http://entertainmentstation.jp/26534/

(記事より抜粋)

2010年の夏に、サッカー選手の中山“ゴン”雅史さんとB’z稲葉浩志さんの対談の司会を務めさせてもらった際、中山さんが、同じくサッカー選手の中田英寿さんの言葉として

「ゴン、お前も俺もまだ“伸びしろ”は、きっとある。だが、“時間がないんだ”」と言ったことを聞かせてくれて、納得と共にかなりショックを受けた。

スポーツ選手が、その選手生命をより長くしようと自分に何かを差し向けるならば、それは、間違いなく“技術”だろうと思う。

身体能力が、どんなにアンチ・エイジングという名の有酸素運動やら筋力トレーニングを自らに施したとしても、(加齢が呼び込んでくる)抗えない“見えない下降曲線”を孕んでいるのだとしたらば、それに唯一抗えるのは、同じ身体が繰り出す~肺活量などではない~技術であろう。


もしも、自分がスポーツを生業にしようとした時、技術の向上だけで、生業に足る成績を上げられるか? と言ったら、それは、おそらく、無理に違いない。

“絶対に負けない!”という思い込みのもと、自分の身体を、スポーツの名のもとに、“投げ出す”ことができるかどうか……それが、技術の上を行く、スポーツ選手の信条=soulではないかと思う。


エンタメステーション
佐伯明のJourney Through
The Music/04月6日号
“伸びしろ”がないのか? “時間”がないのか? アンチ・エイジングではない、加齢と共にあるであろう“高み”に向かって…… その2
http://entertainmentstation.jp/26539/

(記事より抜粋)

中山&稲葉対談の中で、
稲葉さんは、中山さんを評して、下記のように、発言した。

稲葉:実際に会う前は「中山ゴンっていう人は、すごくいろんな才能があって、しゃべりも達者だし、テレビに出ても普通のテレビ画面で、俳優とかに引けを取らないような花もあって、なんでもできる、どこにでも行ける」っていうイメージを、だいたい持つと思うけど、

実際に会うと、もう、サッカーが圧倒的なプライオリティ、ほとんどサッカーの人で、それのためになんでも犠牲にできるぐらいの、ちょっと怖いぐらいのストイックさというか。そういうのがあるのが逆に意外に思いました。


“サッカーが圧倒的なプライオリティ”……とても、胸打たれる言葉である。

「中山選手は、怪我の多い体質」と揶揄する輩もいるけれども、僕は、そうは、思わない。差し迫った勝負の世界では、技術を持ちながら「身体ごと飛び込む」ことが、いかに重要なことか? 推量される。飛び込むことで、戦況が変わるばかりでなく、「気持ちで、勝つ」ことを露わにするのである。

そして、そうした「身体ごと飛び込む」意識が、何を持って下支えされているかと言えば、それは楽曲=音楽なのである。

中山さんは、B’zの名曲
ultra soul」が、“アスリートならば、ほぼ全員に響く曲なんじゃないですか?”と、話してくれた。

さらに、中山さんに、
B’zの楽曲のどこが、お好きなのですか?」と尋ねたところ、彼は、即答してくれた。

中山:ソウル。シャウトです。自分(の声)が出せないところを出してくれてるっていう。「ultra soul」、歌いたいんだけど、歌えないんですよ。キーが高いし、音程がなんでああ、普通に歌えるんだろう。そこがね、難しいんです。

なんかの思いを伝えようとして、それが曲になってるし、それがやはり聴いてると、自分を奮い立たせてくれるっていうところがありますよね。だからほんとに、聴いてて「んー!」って思うのは、「ultra soul」なんですよ。

アスリートにとって、全部、入ってくる曲なんじゃないのかな。

血も流さないままで、何かが得られるわけでもなし、何かをしてこそ、何かくるんだ、と。それなしにはそういうものは得られないんだよっていうような感情を歌ってくれてますし。

うん、確かにそうだ!って思うから、そうなると、ふつふつとこう、やる気が、闘志がわいてくるし、「ウルトラソウルッ!!」ってシャウトしたいなって思ってくるんですよね。「超・たましい」ですからね。


僕は、スポーツ選手でもなければ、ミュージシャンでもない。しかしながら、スポーツ界における“no pain,no gain”をわかりながら、何を寄す処(よすが)にするかといえば、ソウル=魂に匹敵するものが、どの世界にも必要なのだ、ということは、わかる。

ソウルが音楽になったら、いい。そんな夢想をしながら、僕は、音楽とスポーツを愛していくのである。


B'z 31st Single
ultra soul 2001/03/14
http://bz-vermillion.com/disco/sg_31.html
http://m.youtube.com/watch?v=Ujb-ZeX7Mo8

B'z ultra soul 歌詞
http://j-lyric.net/artist/a00067d/l000bef.html