B’zな桜Song 其ノ四

2011年7月27日発表

アルバム【C'mon】

9曲目に収録


ピルグリム

(意味 巡礼者 放浪者)


作詞 稲葉浩志
作曲 松本孝弘



幾千の花びらが
風に舞い踊り


桃色の蝶のように
道路(みち)を横切ってく


いつか見てたもの
戻ってはこない時間
       (とき)


なにげない言葉を
ささやいたら

君は手をのばし
この手をにぎりしめた



めぐりめぐってまた
君と出会った

季節が僕をつかまえる

前を向いてごらんよ
信じてごらんよ

未来はいつも
変わろうとしてる





憶えていないこと
それはもうたくさんある


そんなこと思い
空を眺めてたら
くしゃみ


すぎ去っていったもの
それだけが運命



ほんのささいな
言葉をはきだしたら

君は何も言わず
うつむいて涙こぼした



めぐりめぐってまた
君が消えた

景色が僕をとりかこむ

目をこらしてごらんよ
やきつけてごらんよ

あふれる言葉の行き先を





愛といえど
時には ひ弱いもの

それを守れるのは
やっぱり愛情なのか



めぐりめぐってまた
君と出会った

季節が僕を包み込む

思い浮かべてごらんよ
素晴らしい日々を

ぜったい毀(こわ)したく
ないものを






歌詞は、愛する人との出会い・別れ・再会の物語。


詩の趣がある。


他の曲に比べ、稲葉さんのちょっと低い歌声が聴けます。


稲葉さんは「い」の歌い方がとっても上手く、

説得力があり、気持ちが伝わって来ます。


例えば

『いつかまたここで』の

「生きてれば」の「い」

「いつか」の「い」は

約束をするかのように、はっきりとした希望のある歌い方に聴こえます。



この曲『ピルグリム』の

「幾千」の「い」の歌い方はメロディの出だしに輪郭を持たせ、

「幾千」という大きさや凄まじさを表しているように聴こえます。

「いつか」は、

遠くを見つめるような抑えた歌い方に聴こえます。



そして、一場面 一場面、大切に丁寧に歌い、情景を表現しているのがわかります。


特に最後のサビ前Bメロの歌詞「♪ ひ弱いもの」の歌い方が上手い。





アルバム【C'mon】のWikipediaより抜粋引用

歌詞について稲葉さんは

「ある程度完成した
 この曲を聴いた時に、

 車の運転中に
 桜の花びらが大量に
 散った風景を見たとき
 のイメージが甦って、

『主人公が(頭の中で)
 想いの強い地を
 巡っていく』という
 イメージになった」


と語りました。



一番Aメロの歌詞

幾千の花びらが
風に舞い踊り

桃色の蝶のように
道路(みち)を横切ってく





詩人ですよね。

桜吹雪をどの場所で見ようと、なかなかこんなふうに表せません。


ピルグリム』は

桜が咲き 散り また咲く光景にも通ずる物語なのかな。


それを松本さんが作った曲とバンド演奏を聴いて思い浮かべたのですから

松本さんが作った時点で、すでに叙情があるということですよね。

ソロのインストも叙情詩のように感じます。



稲葉さんは松本さんの、どの曲の世界でも掴みとり、表現出来る人なんですね。

B’zの曲は、お互いの才能と信頼が結び付き、
生まれているのです。